ピンポン

松本大洋原作のマンガの実写化で、主演は窪塚洋介、脚本は宮藤官九郎。公開は2002年だそうだ。もう12年も前になるのか。

本作は卓球を題材にした、割と直球型の青春映画だ。私は青春映画はダサくなければならないと思っている。そしてこの映画はきちんとダサいのでその点は非常に良い。

しかしマンガ原作の実写化の難しさというのも浮き彫りになっているように思う。マンガならキャラクターが不自然なことを言ったとしても自然に成り立つ。ただ実写化された場合に、マンガのセリフをそのまま登場人物に言わせると不自然が際立つのだ。例えば、卓球の試合中に「高いところまで連れてきてくれてありがとう」と言うシーンがある。これはマンガなら自然なのかもしれないが、中村獅童が言うと違和感がある。断わっておかなければならないが、中村獅童は熱演している。良い演技をしていると思った。つまり、そもそも無理なセリフだったのでは、ということだ。

内容は非常に良かった。しかしセリフについていけなかった部分もあった。私のような青春映画観を持つ人にはおすすめしたい。実写で不自然なセリフがなぜマンガなら自然にみえるのだろう。思いついたら書きたいと思う。

もう一言。映画冒頭で重要なシーンがあるのだが、これが圧倒的に天気が悪い!どういう意味かわからなくさせる意図かもしれないが、私は晴天が良かったと思う。