殺人事件の起きた現場はカフェか美容室か、そんなところだった。目の前には上下黒のスウェット姿の背の低い男が立っていた。そうだこの男が目撃者なんだ、この男の話を聞きに来たんだと得心した。

「何があったんですか」
と聞くと男は事件の全貌を詳細に語り出した。話し振りは少々高揚していたが滑らかで、実演してみせた軽い身のこなしには驚かされた。しかしまるで説明が頭に入らないので段々と違和感が生じてきた。男の目を見るとぎらぎらしている。
「ここで刺されたんです」
なぜかこれは私も殺すつもりであると確信しすぐさま逃げようとしたが肩を強く掴まれその瞬間腰に鋭い痛みが走り、
「四日前の因果やで」
と聞いたのが最期だった。
 
 
 
私がおかしくなったわけではなくこんな夢を見たという話。今まで見た中で一番最低な夢だった。ちなみに四日前は淡路島を旅行していたのでこれは今度書こう。特にホラー的なことはなく、楽しい旅行だった。